「バイト侍」全話解説


第01話「バイト侍登場!」

 

「ど・・・どういうことだ・・・バイトって聞いた途端、体が熱くなりやがったぜ!」

 

「大変だ!バイト侍が逃亡したぞ!」

物語はいきなり脱走シーンからスタート。主人公・番場蛮が改造人間であること、敵はアルバイターの労働意欲を削ぐ秘密結社「クビクビ団」であることが欄外で解説されている。

翌日、川岸で倒れている蛮を女性が発見。気付いた蛮だが何も思い出せず、病院に連れて行こうにもタクシー代が無い。「バイト代があれば・・・」実は女性は一カ月の約束でレストランのバイトを始めたが激務に耐えられず三日で辞めてしまったのだ。その賃金は貰っていない。蛮は法的なことは分からないと答えるが、ポケットから「黄金のボール」が転がり落ちた・・・。そこに怪人「バイトカマキリ」が登場!バイト代どころか契約違反で違約金を払ってもらうと女性を連れ去ろうとするが、黄金のボールを手にした蛮が「労働基準法第24条」を根拠にバイト代を貰う権利があると断言、蛮の投じた正義のサムライボールがバイトカマキリに命中し爆散!だが自分が何者か分からないまま蛮はその場を立ち去る。

 


第02話「強引!魔の長期契約」

 

「博士!金のタマが盗まれました!」

 

東京の地下に張り巡らせた巨大基地・・・クビクビ団の地底基地では幹部・失業博士に黄金のボールが盗まれた報告が届いていた。あのボールには正しいバイトの知識が詰まっており、改造手術されたバイト侍が持っていれば近くの困っているアルバイターに反応するようになっているのだ。何でそんなことが必要なのか全く意味不明である(笑)そのころ蛮は近くのラーメン屋に立ち寄ったが、そこで働く大学生・小野田は店主から二カ月の契約の筈が五年働けと雇用契約書に無理矢理拇印させられようとしていた。そこで蛮の黄金ボールが反応、「労働基準法第14条」を根拠に契約期間の無効を主張、正体を現した怪人(名称不明)を正義のサムライボールで倒すのだった。

 


第03話「悲しみの夢対決 解雇スラッガーの涙」の巻

※本話より「の巻」表記に変更

 

「あんたクビクビ団に魂を売ったのか!」

 

クビクビ団の地下基地では失業博士が元エレファンツの打者であり、怪人バイト・バッターである王島へ番場蛮のことを伝えていた。怪我で引退していなければ蛮の魔球なんぞ場外ホームランしていたと豪語する王島。博士はS-6地点(長尾工務店)に向かえと指示する。そこで誤ったバイト知識を押し付けようとすれば奴は必ず現れると。そして長尾工務店でバイト中の若者が怪我をしたことで主任(王島)はクビを宣告、嫌なら働けと迫るがそこに蛮登場。「労働基準法第19条」を根拠に治療のための30日間は解雇出来ないと論破しサムライボールを投じる。王島はそれをバットで打ち返そうとするが、その威力に押され敗北。負けを認め爆発してしまう。王2世とまで言われた男の哀れな最期に言葉を失う蛮であった。(記憶を失っているのではないか?とツッコミを入れてはいけない)

 


第04話「バイト忍者のムチャ働き・・・」の巻

 

「に・・・忍者の血が騒ぐッ!」

 

株式会社東光商事では40年勤務した社員が仕事が遅いと解雇されていた。労働者いじめが確実に成果を出しているとほくそ笑む失業博士。街を彷徨う社員から話を聞いた蛮は東光商事に向かい、そこではアルバイト社員が5週間休みがとれず限界を迎え、休ませて欲しいと上司に申告していた。だが上司は同じアルバイトの「伊賀忍」君は10倍仕事をこなしているんだと拒絶、休日も働けと取り合わない。実は伊賀はバイト怪人「バイト忍者」で10人に分身して一度に仕事をこなしていたのだ。蛮は「労働基準法第35条」を根拠に休むのは正当な権利であると主張!だがバイト忍者は黄金ボールを食らう前に逃亡した!

 


第05話「バイト忍者 ついに過労死」

※「の巻」表記無し

 

「ありゃっ どうしたバイト忍者!?」

 

東光商事は業績が悪化しており、社長はやむなくバイトの諸君は伊賀君以外は辞めてもらうと判断、部長に5月一杯でクビと伝えるよう指示する。あと1カ月でクビと伝えるのは辛い・・・悩む部長だがそのに伊賀(バイト忍者)が現れ、そんなのは当日に言えば十分という。そしてその日の夜・・・自宅の鍵を置き忘れた伊賀が会社に戻ると、なんとバイト全員が社内に残り、経営状況が悪化した会社の為に伊賀にばかり頼らず従来の3倍働こうとしていた。動揺する伊賀はならば30倍は働いてみせると決意。そして1カ月後、クビを宣告されたバイト達を救うため蛮は「労働基準法第20条」を根拠に当日解雇は無効と主張。だがその場にいたバイト忍者は黄金ボールを食らう前に働き過ぎが原因で倒れる。改心していた彼はデカい契約の仕事を取り会社はもう大丈夫だ、解雇も不要といい力尽きるのであった。

 


第06話「バイトインテリのニセ知識」の巻

 

「ええ〜っ明日の日曜日も出勤ですか!?」

 

かえで出版で働く女性は社長から休日出勤を頼まれ困っていた。時給800円だから8時間働けば6400円になるじゃないかと押し切られそうになった所に東大教授・倍戸引照(ばいと いんてり)が突然現れ、休日出勤は労働賃金の25%増であると伝える。女性はその姿にウットリ。倍戸はその後、アルバイター達の集まる公園でライブを開き(笑)「涙のあの娘を突き飛ばしィ♪バイトに捧げた俺の人生ェ♪」と熱唱!バイトは素晴らしい!バイトこそ宇宙だ!盛り上がる観衆に東大での講義のために書き下ろしたテキスト10巻(55万円)をアピール!そこに蛮が登場。半端な知識を吹き込み人気者になるとは許さんと「労働基準法第37条」は改正され25%ではなく35%増しになっていると指摘する。正体を現した怪人に黄金ボールが炸裂し爆発。高額商品購入の危機を救うのだった。

 


第07話「セコイぞ!バイト黒船」の巻

 

「ケケケケ なんとでも言え!グッバーイ」

 

蛮は街中でアメリカの連邦親善大使として来日したペリー氏と通訳の女性に声をかけられた。「あなたにはサムライの雰囲気があると感じた。自分は日本のサムライ魂を正しく本国に伝えるのが仕事で、それが出来ないと殺される」というのだ(笑)目茶苦茶である。それは大変だと蛮は彼に協力し取材に協力。料亭に場所を移し一通り答えて眠っていると、ペリーは流暢な日本語で通訳のバイトの女性にまた明日の6時から頼むよと休みの申し出を拒否して働かせようとする。ならば辞めるという女性に違約金を迫り、払えないならこれを貰うとバッグを取り上げる。そこに寝たふりをしていた蛮が立ち塞がり、ペリーはクビクビ怪人・バイト黒船の正体を現す!「労働基準法第16条」を根拠にペリーの言い分を否定、黄金ボールが炸裂し「せめてバイト戦艦に改造されたかった」と言い残し爆散するのだった。

 


第08話「男の純情哀し バイト人妻」の巻

 

「人妻誘惑計画第1号ゴー!」

 

男が路上で和服美人に声をかけられた。坂の上にあるコンビニで働いていたのだが主人の反対にあい黙って辞めてしまい、まだ受け取っていない給料があるというのだ。もし貰ってきてくれたら私を好きにしていいという。下心全開でコンビニに向かう男だが、いきなり現れた暴走トラックや倒れてきた電柱を辛うじて避けるもののマンホールに落ちてしまう・・・それから1ヶ月後、給料を貰ってくればあの人妻をモノに出来るという噂を聞きつけた男たちが集まり、次々に挑戦するが全て失敗。そこに蛮が現れ「労働基準法第24条」では賃金は直接労働者に支払わなければならず、代わりに給料を手にすることは出来ないと断言。追いつめられた人妻はクビクビ団の男の変装だった!!下心を利用された男たちは怒りを爆発させ袋叩きにするのだった(笑)ちなみに男たちをマンホールに落とした理由は不明である。

 


第09話「番場報道加熱!バイト新聞記者」の巻

 

「あああ これは!?」

 

バイトの面接を受けた蛮。緊張したのか終了後にもう限界だとビルの影で立ちションしてしまう。それを激写する謎の男・・・数日後、「番場蛮 ビルに立ちション」と新聞に載ってしまいバイトは不採用になってしまう。クビクビ団の怪人、バイト記者の仕業だ。信用を失った蛮は何でも叩かれるようになり「立ちション投手今度は野宿」「番場エッチなAVをレンタル」と報道され酷い目に遭う(笑)バイト記者は失業博士に給料アップを希望するが軽く流されてしまい、小遣い稼ぎのために街中で青年に声をかける。二ヶ月契約のバイトを三週間で解雇されたが、同じく解雇された正社員は30日分の給与が支給されたのに不公平だと不満を漏らす青年に同意し記事にしてあげるから先に金を出せと迫る。そこに蛮が現れ「労働基準法第20条、第21条」を根拠にその話を否定、黄金ボールを受けたバイト記者は爆発し、平和な日々を取り戻すのだった。

 


第10話「卑怯な恋愛復活作戦 怪人バイト恋人」の巻

 

「ギャアア黄金ボール!!」

 

蛮が喫茶店に入ると、近くの席で職場復帰と復縁を同時に迫られて困っている女性がいた。彼女は仕事はやる、でも復縁は出来ないと返答。だが男は諦める様子はなく、明日から出社してくれよと話すと店から出て行った。事情を聞いた蛮だが何故か黄金ボールが反応した。何故だ・・・(もうバレバレである)後日、男の経営する「有限会社クビ切り広告社」でバイトを始めた女性だが、しつこく復縁を迫られ断ると他の会社で8時間勤務後に来ている事を理由に時給は半額にすると言われてしまう。そこに蛮が駆けつけ「労働基準法第38条」を根拠に男の主張を否定、正体である怪人バイト恋人に黄金ボールが炸裂し危機を救うのであった(会社はどうなったんだ?)

 


第11話「善良アルバイターの悪夢!怪人バイトハチ公」の巻

 

「黄金ボールだ!ええ~い正体を現せ!」

 

スーパー製菓でバイトする青年・山田は休日の出勤を頼まれるが、大事な用事があると断る。実はその日はライバル会社のウルトラ製菓の面接があるのだ。今の会社は今年社員を募集しないので止む無くのことだったのだが、同僚の犬村は裏切り行為は認めないと責める。翌日、面接会場に向かう山田に同じく面接を受ける蛮が声をかける。そろそろ放浪生活は終わりにしたいと思ってるのがリアルだ(笑)だが山田の前に犬村から話を聞いた社員たちが立ち塞がる!蛮は有給休暇の使い方は昭和48年の判例で認められていると社員たちの言い分を否定、誰かそそのかした奴がいるに違いないと黄金ボールをかざすと犬村が反応、怪人バイトハチ公の正体を現し、跳ねたボールに反射的に噛みつき爆発するのだった(笑)

 


第12話「蛮、面接落ちる!怪人バイトババァ」の巻

 

「フフフ・・・小川君遂に遅刻したね!」

 

蛮は峰山商事の面接会場にいた。バイトの面接結果を待っていたのだが、結果は不採用、一緒に受けた小川が採用される。(前回受けたウルトラ製菓は不採用だったと思われる)肩を落とす蛮。社長の峰山は小川に勤怠管理が厳格だが、バリバリ残業をこなし無遅刻無欠勤なら月50万円も可能だと伝える。それから約一ヶ月後、小川は蛮と再会、今日が給料日なので奢るという。だが出勤中に耳の遠い老婆に道を尋ねられ遅刻してしまった。待ってましたとばかりに峰山は53万の給料から皆勤手当22万と遅刻のペナルティ30万を引き、今月は1万円の給料だという。目茶苦茶である。そこに蛮が登場「労働基準法第91条」により峰山の話は無効と断言!黄金ボールが炸裂し、さっきの老婆・怪人バイトババァは峰山の変装と判明、そして何故か爆発するのだった。

 


第13話「危うし、人気レーサー!!怪人バイトゴロマキ」の巻

 

「おいあんた!本当に彼女の上司なのか?」

 

人気レーサー、速水端郎は次のレースに向けて練習中であった。周りには女性ファンの人だかりが。(街中で練習してるのが不思議だ)ファンの中に一人遠慮がちに応援している女性が気になる蛮。そこに一台の車が乱入し速水の車と接触!明らかに信号無視の無謀な運転が理由だが、車から出てきたゴロマキ(柄の悪い)男は弁償しろと強気である。裁判でもやってみろと言うが、先程の女性が証人になるという。数日後女性は裁判の為に上司に休暇申請するが理由なく却下されてしまう。そこに蛮が登場!「労働基準法第7条」を根拠にそれを否定、上司の正体は怪人バイトゴロマキで黄金ボールを受け爆発!裁判を受ける事なく退治し、速水は勇気を出してくれた女性に感謝するのだった。

 


第14話「消えた黄金ボール、蛮ついに破れる!怪人鬼の営業部長」の巻

 

「ワハハハ!サムライ破れたり!」

 

蛮が外で大の字になって寝ていると見知らぬ女性が助けを求めてきた。アルバイターの間では蛮は超有名人であり、スーパースターである蛮に友人を助けてほしいという。良い気分になった蛮は現場に向かう。だがポケットから黄金ボールが転がり落ちたことに蛮は気付かなかった・・・。セールスのバイトをしている友人の男性は営業部長に休日も休まず営業していたので手当が欲しいと主張するが認められずにいた。そこに登場した蛮、黄金ボールが無く焦るが、休日出勤時の給与増しが認められる筈、負けたらお前の会社で働いてやると啖呵を切るも、男性はフルコミッション契約(完全歩合制)でそれは当てはまらないと論破され敗北!!果たしてどうなる?

 


第15話「帰ってきた黄金ボール 蛮働きまくり!怪人鬼の営業部長自爆」の巻

 

「番場の持っていた黄金ボール!!」

 

黄金ボールを紛失した蛮は怪人鬼の営業部長に完敗し、その会社で働くことになり一ヶ月経過。蛮は新規契約を取りまくり営業部のエースとなっていた。社長は鬼井(営業部長)に良い人材を育ててくれたと評価、今月の社長賞は蛮に決定、鬼井も昇格させようと言う。普通に評価されてるのが笑える。鬼井はクビクビ団の一員の自分が昇格するきっかけがサムライとは・・と戸惑っていると草むらに落ちている黄金ボールを発見、社長賞授与の日、鬼井は黄金ボールを手にして「労働基準法第35条」を根拠に1日も休まず働いたのは法に接触するので社長賞は無効だ!と主張、だがクビクビ団の怪人が黄金ボールを使ったら爆発するのを知らず吹っ飛ぶ(笑)でもその主張は正しい、こんな休めない会社は辞めるとアッサリと去る蛮であった。

 


第16話「蛮、絶体絶命 奪われた黄金ボール 怪人バイトライバル登場」の巻

 

「私の名前はバイトライバル 会いたかったよ侍」

 

黄金ボールが反応し、近くにクビクビ団の怪人がいる筈だと周囲を見渡す蛮。するとまだ幼い子供が庭掃除させられている。あんな子供を働かせるとは許さねぇと怪人と思われる男にボールを投げつけるも逸れてしまい、あわや子供に!という所で男がキャッチ!彼の名はバイトライバル(そのまんまである)!彼は労働基準法56条で児童の労働は禁じられているが、修学時間以外は認められていると話すと爽やかにボールを返すのだった。好感を持つ蛮。それを見た久々登場の失業博士はもっと悪い怪人にした方がいいと考える。数日後、子供に危険な高所作業を強いるライバルに怒る蛮。改造され邪悪な表情である。黄金ボールを弾き返すダイヤモンドバットで蛮の球を打ち返し、そのボールは失業博士の手に落ちた。蛮ピンチ!

 


第17話「甦れ!立ち上がれ!蛮!全てのアルバイターのために」の巻

※第16話と誤表記

 

「なんて駄目なヤツだったんだ俺は」

 

黄金ボールを奪われてしまった蛮。だが挫けず自力で知識を身に着けようと朝のジョギング後に山に向かって労働基準法を叫ぶ!……のだが何も覚えてない(笑)自分の駄目さ加減を知りショックを受けるのだった。それから一週間後、アンドロメダ商事でバイトする蛮はオドオドした態度で自信を失っていた。そこに同期の山田がやって来て二人共試用期間中に解雇されると言うのだ。翌日社長室に呼ばれた山田は当日分までの給与を渡される。だが遅れて来た蛮は徹夜で労働基準法を調べ、20条、21条を根拠に30日前の解雇予告か一ヶ月分の給与支払いが必要だと主張!蛮の熱さを見た社長は解雇を取り消すが、アルバイターの為に戦いたいと去ってしまうのだった。黄金ボールを失ったまま戦えるのか蛮?

 


第18話「バイトライバルを追え!宿命の対決第2R」前編

※「の巻」表記無し

 

「私なんかほらファンクラブにも入ってるんだから!」

 

黄金ボールを失った蛮は切り札を持たぬままバイトライバルを倒そうと行方を追っていた。そして東京近郊のN市で「バイトライバルの像」を発見!変なポーズの銅像がなぜ?驚く蛮に松葉杖をつく女性が答える。バイトライバルはこの町で働く者の味方となり、労働環境が改善され感謝されていると。蛮は奴は失業博士に再改造され悪い奴になっている筈だとそれを否定するが、女性は聞く耳を持たない。なら具体的にどんな事をしたのかと問うと、女性が仕事中に怪我をして解雇されそうになったとき、労働基準法第19条を根拠に会社に反論、ピンチを救ったというのだ。休業扱いとなった女性は給料が出なくて苦しいがバイトライバルに感謝していた。だが給料が出ないことに違和感を覚えた蛮は図書館へ。そしてバイトライバルの助言には隙があることが判明する。

 


第19話「バイトライバルを追え!宿命の対決第2R」後編

※「の巻」表記無し

 

「やめろ!頭が割れそうだ!」

 

バイトライバルの間違いを発見した蛮は彼を信望する女性、由起を探す!すると街中で失業博士に襲われている由起を発見。「言え!バイトライバルの居所を!」蛮が止めると態度を一変させ、奴が独立して新生クビクビ団を旗揚げする、悪い怪人に再改造したが悪くしすぎた、わしに代わって退治してくれ!と無責任なことを言ってきた。そこにバイトライバルが現れる。蛮は間違った知識を由起に吹き込んだことを責める。狼狽える彼だが、実は失業博士に「悪の心」を埋め込まれ、博士のハーモニカの音を聞くと正常な判断が出来なくなっていたのだ。ハーモニカの音色に操られた彼は由起を襲う!が蛮の投げた石にハーモニカを叩き落され博士はあっさり逃亡、バイトライバルは死を覚悟の上で黄金ボールを使用し、傷病療養の際は平均賃金の60%を休業補償として受けられることを由起に伝え爆発するのだった。

 


第20話「クビクビ団偽職場の花作戦 怪人バイトいやな奴」の巻

 

「えぇ〜い気持ち悪いわ!」

 

クビクビ団地底基地では失業博士が次の手を考えていた。バイトライバルは始末したが黄金ボールが再びサムライの手に戻ってしまったのだ。(バイトライバルは自爆した筈では?)そこに自分に任せろと「怪人バイトいやな奴」という名前そのままの怪人が登場、その場で屁をこいて立ち去るのだった。数日後、蛮の勤める西野商事(配送業)では人手が足りず全員疲労困憊の中、社長に雇われたという女性、美穂だけは何も手伝わず、蛮に注意されても聞く耳を持たずにいた。男はだらしない、労働基準法では女性は保護されている。黄金ボールに聞いても無駄と大口を叩くが、なぜボールを知っている?疑問を感じる蛮だが曖昧な問題で明確な回答はない。勝ち誇る美穂に社会常識で考えればおかしいとキレてボールを投げつけた(笑)すると美穂は怪人バイトいやな奴の変装と判明、男と分かった途端に社長に見放され何故か爆発するのだった。

 


特別編「労働基準法SPECIAL」

 

「井上コオ先生急病のため、今週は特別編をお送りします」の記載の通り今回は休載。代わりにそれまでに描かれた蛮が怪人相手に労働基準法について説明するシーンを纏めた総集編が掲載された。

 


第21話「給料クジ引き制度導入 怪人バイトギャンブラー マイナス10万円の恐怖」

※第23話と誤表記

※「の巻」表記無し

 

「ようするにお前のやり方は無効だ!」

 

パチンコで負けた駄目そうな青年に怪しい男が声をかけた。「君にピッタリのバイトがある」と言う・・・翌日、珈琲店で働く蛮は彼女の前で「俺はギャンブルの天才」と大口を叩く青年を目撃する。更に2週間後、店に連日一人で訪れた彼女が気になり「前に一緒だった男の人は?」と尋ねると連絡が取れなくなったというのだ。その理由は彼が始めた日給制のバイトの給料がクジ引き制で、クジには20万、1万、マイナス10万と書かれており、案の定負け続けたことで逃げてしまったらしい。そのとき外を見ると怪人バイトギャンブラーに追いかけられている青年が!駆けつけた蛮は「労働基準法第15条」を根拠にクジ引きは無効であると断言、黄金ボールで怪人を仕留め、過激なギャンブルは慎めと青年に促すのだった。

 


第22話「エポのマスター怒る!怪人バイト根性ナシにたぶらかされた佐藤君」

※「の巻」表記なし

 

「そうだろ 根気とか根性なんてくだらない」

 

蛮の勤める珈琲店では、バイトの佐藤が急に黙って休んだことで大変な一日となったが、蛮の頑張りで何とか乗り切ることが出来た。そこに大きな態度で現れた佐藤!「俺の給料を払ってもらおうか!」という。三日働いて勝手に来なくなった奴がよくそんな事が言えるなと反論する店長だが、労働基準法では認められているのだ。後日、怪人バイト根性ナシにそそのかされている佐藤を目撃した蛮は店長に助言。急に休まれ納品が遅れたことで取引先に損害賠償請求されていると佐藤に一部負担を要求!怪人に助けを求める彼だが、正当な権利であるため反論の余地なし!黄金ボールを食らい怪人は爆発!蛮は佐藤に損害賠償の件は嘘だが、こういう話になる可能性があるので真面目に働けと促すのだった。

 


特別編「クビクビ団怪人SPECIAL」

 

「ヤングと労働者取材旅行のため今週は特別編をお送りします」の記載通り今回も休載となり、代わりにありそうでなかった登場怪人を纏めた総集編が掲載された。

 


第23話「洋子ちゃん歯ブラシ大作戦 怪人バイト真心の苦悩」の巻

 

「まてまてまて~もっと働かんか~い!」

 

蛮は公園で洗顔中。寒くて「もう野宿出来る季節ではないな」とサラッと衝撃的なことを口にする。続けて「洋子ちゃんオハヨー♡」と危ないことを口にするが、その手にはヒット商品の歯ブラシが。女子大生の洋子の顔がプリントされ、グリップ部分は彼女の体形に似せた怪しい一品である。他にも複数のバリエーションがあるらしい。同じ頃、洋子のバイト先の工場は女子大生たちが長時間歯ブラシを作り続け疲れがピークに達していた。今日も残業時間が9時間を超え、洋子はその場を逃げ出す。フラフラの彼女を保護する蛮だが社長が追いかけてきた。奴の正体は怪人バイト真心!「労働基準法第64条2」により怪人の言い分を否定する蛮だが、手作り製品に拘る怪人に悪意はないと知り、蛮自身をモデルにした歯ブラシを作ることにする。だが全く売れず会社は潰れてしまうのだった(笑)

 


第24話「倉田くんのプロポーズ大作戦 怪人バイト世の中のゼニやのインチキ所得税を倒せ」の巻

 

「ウッ あのへたくそな歌声は・・・!?」

 

大学生の倉田は明日彼女にプロポーズするため高額の婚約指輪を購入すると決意した。だが翌日・・・バイト先の銭取鉄工㈱社長は「所得税をウチが一割源泉徴収して税務署に払っているが足りないと言われている。あと10万円ほど必要なので置いていけ」と言う。それでは指輪を買うことが出来ないと拒否する倉田だが、社長はそんなことは関係ないと無理矢理奪おうとする。そこに黄金ボールが炸裂!!遠方から「ひとを~斬るのが侍な~ら~ば~」と歌声が聞こえてくる!「ウッ あのへたくそな歌声は・・・!?」そして「バイトの敵を斬るのが・・・バイト侍 番場蛮だ!」とバンババーンとサムライ登場。社長の正体は「怪人バイト世の中ゼニや」だった。アルバイトは年間の収入の合計が100万円以下だと無税であり、怪人の言い分はデタラメだと即看破された怪人は爆発し、倉田はプロポーズに成功する。蛮も指輪を買って誰かにプロポーズするかと考えるが所持金は僅か100円であった(笑)

 


第25話「VSクビクビ団天王山 善良スーパーを救え! 直接対決"失業博士"」の巻

 

「奴らを不幸のズンドコに叩き落とすチャンスが訪れたな」「博士それはどん底では・・・」

 

クビクビ団地底基地では失業博士が「スーパーボンジュール」の奴らは経営者も従業員も楽しそうに働いてるのが許せんと怒りをぶち撒けていた!酷い言いがかりである。だがスーパーは経営が悪化しており、社長はバイトには辞めて貰うしかないと頭を悩ませていることが判明する。解雇予告の起算日について調べる社長の前に失業博士が現れイキナリ殴打(笑)博士は何を考えているのか?それから数日後、蛮がスーパーを訪れると従業員に曖昧な内容で解雇を告知し圧力をかける社長の姿が。操られていると察した蛮は時期の不明な解雇予告は無効であると否定し、黄金ボールを社長の背後の段ボール箱に投げつけると失業博士が隠れていた(笑)博士が逃げ出すと社長は正気に戻り、会社を全力で立て直すと決意、その後スーパーは活気を取り戻したのだった。

 


第26話「VS失業博士直接対決第2R 極悪商事の給与未払い作戦 パン屋のおやっさんを救え」

※「の巻」表記無し

 

「えぇ〜っ今日も支払われないんですか社長!!」

 

パン屋の店長は求人誌フロム・Cにバイト募集の告知を載せたにも関わらず応募がなく困っていた。しかも他の店も同様らしい。ちゃんと載せたのかと蛮が求人誌をチェックするが、驚きの声を出した後立ち去ってしまう。不思議に思った店長が雑誌を見ると頁の一部が破り取られていた(笑)数時間後、蛮は面接会場にいた。時給5000円の高待遇のバイトである。何処にも応募がない理由はこれだったのだ。社長の極悪非道氏は全員を採用するという。しかし三か月後、いまだ給料は支払われずにいた。蛮は抗議するが来月纏めて350万払うと言われアッサリ引き下がってしまう。そこにパン屋の店長が抗議に来たが職業選択の自由を盾に相手にしない。だが黄金ボールが反応し社長は失業博士の変装とバレる。蛮は「労働基準法第24条」により纏め払いは違法と気付き、博士は捨て台詞を残し逃走するのだった。(給料はどうなったんだ?)

 


第27話「アンチクビクビ団 迫る!VSクビクビ団最終決戦 逃亡怪人バイト優等生」の巻

 

「さすが番場蛮!よく言った その通りだ!」

 

バイト侍・番場蛮の戦いもいよいよクライマックス。クビクビ団に反対する団体「株式会社アンチクビクビ団」が結成されたと報告を受け驚く失業博士。会社説明会に蛮を含め続々と人がつめかけているという。奴が仲間を得たら厄介だ。怪人バイト優等生が説明会に送り込まれ、蛮と一緒に面接を受ける。難解な話(労働問題の解決にはフランス19世紀のサンディカリスム思想を見直すべき等)を社長相手に堂々と話し、隣に座る蛮は圧倒される。そこに社長の息子が突然やってきた。休日出勤して残業までしたのに、休日出勤の賃金増しと併せて時間外労働の賃金増しも認められる筈なのに却下されたと。社長から出て行けと言われても聞く耳のないドラ息子を味方につけるため、怪人は私が今すぐ相手に掛け合いましょう!とアピール。だが蛮は息子の言い分は通らないとそれを否定、これで入社は絶望だと笑う怪人だが、息子が突然「さすが番場蛮!よくぞ言った」とマスクを剥がす。何と正体は世界の王貞治であった!続けて「ここに長嶋もいるぞ!」と面接官のマスクを取ったのはミスタージャイアンツ・長嶋茂雄!、そして「そして社長は川上じゃ!」と栄光のV9時代の巨人を率いた川上哲治監督が登場!驚いた怪人は逃げ出し、川上監督は再会した蛮にお前の頑張りはずっと見ていた。そしてついに一緒に戦う決意をしたと語る。次回最終回!

 


第28話「うなれ黄金ボール!!戦えバイト侍!総てのアルバイターのために」の巻

 

「アルバイターの幸せのため これからも戦おう!」

 

前作「生活侍」から引き続き連載された本作もついに最終回。蛮の前に現れた川上監督、長嶋、王!「打撃の神様"川上哲治"が何故か設立した株式会社アンチクビクビ団に入社した番場蛮は大活躍を始めていた」と野球と全く関係ない本作に川上が絡む理由を一切説明しないのが面白い(笑)クビクビ団はX、Y、Z地区支部と立て続けに全滅!!本部のモニターには各支部が爆発炎上している様子が映し出される。残るは本部のみ!かくなるうえは最後の手段、この基地でサムライを潰してやる!と失業博士は叫ぶ。本部に潜入した蛮だが誰もおらず、そこに何故か壺を持った青年が現れる。ある道具屋でバイト中にこの壺を持って隠れていろと言われたが、高額の壺を狙うピストルを持った男たちが現れ逃げていると聞き、蛮はその場で壺を預かる。だがこれこそ失業博士の罠であり、青年は博士の変装であった!両手の塞がった蛮の前でその話はデタラメであると高笑いしながらトドメを刺そうとするが、黄金ボールの輝きによって本部は崩壊、建物は崩れ、蛮は咄嗟に博士を庇い怪我をしてしまう・・・それから三カ月後、入院中の蛮は失業博士に逃げられ、会社もクビだろうと肩を落としていたが、川上監督、長嶋、王は「労働基準法第19条」によりそれはないと伝える。そして蛮に救われ改心した失業博士も見舞いに訪れ、共に戦うという。何という唐突な改心だと突っ込みたくなるクリーンな博士であった(笑)

クビクビ団は滅んだが、アルバイターの幸せのために蛮はこれからも戦うのだ!

 

全28回の本作はここで終了。前作「生活侍」との物語上の繋がりは特になく、この作品の蛮が前作と同一人物かは不明。本作も「番場蛮」というキャラクターを借りた独自の世界と考えるのが正解だろう。蛮以外の「侍ジャイアンツ」からの登場人物はラストに登場した川上監督、長嶋、王のみであった。アルバイト情報誌連載であることを意識し、毎回労働基準法を取り扱う作品の性質上、前作程ハチャメチャな内容ではなく、それが作品としての面白さに影響してしまった感があるのは残念。「改造人間であり記憶を失っている」という設定は黄金ボールを取り扱える以外は特に物語に関係なかった(笑) 前作から通して一年以上、意外な形で復活したサムライの物語はここで完結。明るいキャラクターたちは好印象であり、もっと彼の活躍を長く読みたかったと思わずにはいられない。